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区議団報告 2024年8・9月号

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異常な暑さ、巨大台風、豪雨による土石流
気候危機再エネ・省エネ区は本気の寄稿対策を

 世界気象機関は地球の平均気温が産業革命前より1.45℃上昇と発表。1.5℃までに抑えなければ取り返しのつかない地点・ティッピングポイントを超えてしまう危機的状況を警告。対策は待ったなしです。

国の原発優先を容認

 日本は世界から取り残されています。利権にしがみつき原発と石炭火力を温存・拡大しているために再エネの抜本的拡充が出来ません。原発を優先するため再エネ発電の電気が年間475億円・100万人分も捨てられています。

 共産党はこの姿勢からの脱却を国に求めて欲しいと質問。区は「エネルギー政策は国策」といういつもの答弁で全く危機感がありません。

目標達成の道筋示さず

 区はゼロカーボンシティしながわ宣言で2050年までにCO2ゼロを表明。しかし、再エネと省エネのどんな取り組みで、いつまでに、どれだけ削減するのか具体的なロードマップは示されていません。

 共産党は2030年カーボンハーフヘ年度ごと、部門別の削減目標を達成するためのロードマップを示すよう求めました。

再エネ・省エネの支援強化

 太陽光発電設置助成の件数は昨年48件のみ。23区で15区が品川を上回る助成額です(左表)。助成額の増額、省エネ促進へ住宅の高断熱化への支援を求めました。区は「増額は検証、研究する。新築への断熱化助成を実施する考えはない」と答弁し、積極的に進める姿勢がありません。

 国に意見も言わない、ロードマップも示さない、支援強化もしない、これで気候危機を打開できるわけがありません。国と区の対策の後ろ向きな姿勢の転換が必要です。

太陽光発電設置助成額の比較

熱中症対策を要望

熱中症から命を守る対策について品川区に申し入れを行いました(6月13日)。
〇エアコンの設置や電気代の補助
〇避暑シェルターの充実
〇高齢者への熱中症の周知・啓発
〇熱中症アラーム付き温度湿度計の配布

庁舎建替えを開発推進に使うな

庁舎の建て替え計画が進められており、現在は実施設計中。来年秋頃から工事着工との 予定です。

 問題はこの計画が終止JR広町開発のために進められてきたことです。2013年からJR東日本と日建設計、区との共同検討がスタート。中身は新庁舎のあり方、にぎわい施設などで、その報告書は99%黒塗り・非公開。報告書を「今後も公開しないのか」との質問に、区は「全ての内容を公表する考えはない」と答弁。区長公約の「徹底した情報公開」とは真逆の姿勢です。

 現庁舎敷地についても区は企業に差し出す考えです。民閻企業に市場調査し、土地の購入意向まで聞いており、「現庁舎敷地の売却もありうるのか」との質問に、区は「売却前提ではない」と答弁。売却しないと言えませんでした。
 開発推進が目的の新庁舎計画は白紙にし、徹底した情報公開と区民参加で一から再検討すべきです。

災害関連死を出さない対策を

一向に改善しない避難所環境

 元日に発生した能登半島地震。現在も倒壊した家屋がそのまま残されています。生活再建は自己責任でなく国が支援すべきです。

 避難所は29年前の阪神淡路大震災と同じ、体育館に雑魚寝。死者299人のうち災害関連死は70人(7/18現在)に。今後も増える見通しです。

トイレ・ベッドの充実を提案
 我慢せずに利用できるトイレは重要。世界的な最低基準を定めたスフィア基準に則り20人に1基のトイレの確保を求めました。区は「耐震化トイレとマンホールトイレで70人に1基で準備」と答弁。最低基準にも至りません。ベッドは高齢者に優しく感染症の予防にもなります。避難所毎に段ボールベッドと間仕切りを備蓄できる倉庫の設置を提案しました。区は「(備蓄はかさばるため)段ボールベッドは民間業者から供給される」と答弁。しかし、いつ届くか答えられませんでした。これまでの被災地では3週間もあと。すぐに設置することが必要です。

 「現状で災害関連死を生み出すことはないのか」との問いにも区は答えられませんでした。人災である災害関連死を生み出さない対策強化が必要です。また女性が安心できる避難所へ、女性専用のトイレや物干し場、更衣室、就寝場所の設置を求めました。

防災対策が実現
●携帯トイレを1人20個無償配布。防災ハンドブックを同封し10月から区内を5地域に分けて順次配布。
●エレベーター用防災チェアを希望するマンションに無償配布。対象は3階建て以上かつ15戸以上等。8月1日から申請受付開始。3年間で配布する計画。

「国保」「インボイス」「介護報酬」「再開発」「裏金」「再審法」・・・
区民の切実な願いに賛成の討論

 第二回定例区議会に区民から出された請願・陳情は19本。共産党は、区民の願いを前に進めるため、最終本会議で6本の討論を行いました。

 残念ながら自民、公明、しながわ未来らの反対で不採択となりました。以下、区民から寄せられた請願・陳情への討論の一部を紹介します。

国保料引き下げを
滞納者への赤い封筒やめて!

 高すぎる国保料と厳しい取り立てに苦しむ品川フリーランスの会から 2つの陳情が出されました。長引く物価高のさなか、今年は史上最大の値 上げです。区も負担が重すぎると認めています。引き下げこそ必要です。

 さらに子どもから保険料をとるのは国保だけ。子どもの国保料は年間6 万5600円。無料化に必要な財源は1億5000万円。区の財政力ならすぐに実施可能です。

 また、高すぎる国保料を払えずに滞納した人に対して、真っ赤な封筒で督促状が送られます。滞納者の多くは払いたくても払えない状況です。脅して取り立てるやり方は「自殺者も出るのではないか」と陳情者は訴えます。共産党は、滋賀県野洲市の取り組みを紹介し「滞納を暮らしのSOSと捉え、生活再建の支援につなげることこそ自治体の役割だ」と、陳情の採択を求めました。

品川フリーランスの会から
インボイスは見直しを

 昨年10月から施行されたインボイス制度の見直しを求める請願。「インボイスを考えるフリーランスの会」が取り組んだ7000人アンケートで、実施後の深刻な実態が明らかに。「デメリットが多いので、制度の見直しや中止を望む」は91.9%。「インボイスに登録していないと伝えると、連絡が取れなくなり取引から排除された可能性が高い」、「インボイス未登録を理由に消費税分を払ってもらえなかった」等免税事業者への一方的な値下げ、取引排除が横行している実態が示されました。

 日本の誇れるクリエイターや中小零細個人事業者を守るためにも、インボイスは見直し・中止を。消費税は減税こそすべきです。

権利者からの訴え再開発は見直しを

 大崎駅東口第4東地区市街地再開発の内容見直しを求める陳情が、開発地域内のマンションに住む権利者から出されました。いったん立ち止まり、一人ひとりの住民の声を丁寧に聞いて計画を練り直すべきです。

終の住処として購入した。
強く反対する。
うちのマンションを除いて話を進めてほしい 。

同じ面積の部屋に住むには1,500万円よういしてほしいと言われた。

訪問介護の報酬引き下げ撒回を

 4月からの訪問介護の報酬2~4%の引き下げ撤回と報酬の引き上げを国に求める請願が、介護事業所等を営む城南保健生協から出されました。

 6月、衆院厚生労働委員会は、「介護障害者福祉事業者の処遇改善に関する決議」を全会一致で議決。訪問介護引き下げの影響を検証し、必要な措置を講じるよう求めるもの。政府に対し与野党一致で見直しを求める決議が上がることは異例です。
実際訪問介護は4割が赤字、事業所の倒産・廃業は過去最多、長期にわたる人材不足、低賃金。

 ヘルパーさんは「やりがいだけでは頑張れない、ベースアップしてほしい」と訴えます。報酬の引き下げではなく引き上げこそ必要です。

共産党はすべてに賛成。自民・公明・しながわ未来らが反対し不採択に

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