次に沢田英次委員。
私は学童保育の『すまいる』移行・廃止問題について質問をさせていただきます。
まず先ほども質疑がありましたけれども、『すまいる』と『学童保育クラブ』の違いは何なのか、それと『すまいる』に移行するにあたって、これまでの『すまいる』をどのようなサービスを付加したのか、関係者から出されている不安や疑問に対しての内容はどんなものなのか、以上3点について説明をしていただければと思います。
これまでの経過等のお尋ね、あるいは機能の違いというようなことだと思います。
まず『学童保育』と『すまいる』との違いというようなことですが、現在行われている状況の中では大きな違いというようなのはございません。で、これは再三再四申し上げてきているところでございますけれども、学童保育については先ほど申し上げましたけれども出発点において、いわゆる『鍵っ子対策』として出発したということがございますけれども、これだけにとどまらずですね、遊びと生活というようなところでの指導で今日まで展開されてきた中身のものでございます。
それから『すまいるスクール』でございますけれども、これについては2年前に開始した時点ですと、ややもすると『教育』というような視点からの展開で述べてきたわけでございますけれども、今日行われている状況の中では児童福祉法で言うところの『学童事業』をこの中で取り入れて展開するというようなことで特に私どもとしますと大きな違いはない、というふうに考えてございます。
それからサービス向上の問題でございますけれども、これにつきましては『学童保育』について言いますと、遊びと遊びをとおしての生活というようなことで主に代表されるわけですけれども、一方の『すまいるスクール』でございますけれども、これにつきましては、私どもから言わせますと関係性の増大、いわゆる異年齢児、かなり幅広い異年齢児の交流というようなことで、具体的には1年生〜3年生までの児童を対象としていたものが、1年生〜6年生というようなことで、年齢層にしても6歳児〜12歳児というような広がりがそこでは図られるし、あるいは新たな子ども間の発生というようなところでも捉えられると思います。こういう点では非常に画期的なものだと思います。
それから異世代間交流の拡大、この点についても『すまいるスクール』の中では図られてくるわけでございます。
それから『各種教室』というような言葉で代弁されてございますけれども、利用する子どもの自己選択、あるいは自己の才能だとかその機会の増大というようなものが、格段に『すまいる』の場合広がってきているというようなことが言えます。
それから移動に伴う安全面等の確立ですね、それからさらに使う方としましては保育量の負担というのが、いわゆる軽減されるというようなところがある、というふうに見るわけでございます。
あとですね、申し訳ございません、それから『学童クラブ』と『すまいる』につきましては今申し上げたところでございます。もし落ちていましたら申し訳ございません、またご答弁させていただきます。
(沢田委員から「父母からの意見は?」)
失礼しました、父母からこちらに寄せられている話でございますけれども、これにつきましては、率直に申し上げまして団体からの私どもの方への申し立てと言いましょうか、いろいろと寄せられている点と、単位学童のものがございます。学童連協というのは一つの大変大きな母体でございますけれども、そこからは『学童』があったから今日まで安心して働く事ができた。こういうような機会を奪わないで欲しい。」というようなこと、それからメールにつきましては積極的に『すまいる』に賛成のものと、それから「従来のようなかたちで残してほしい」というようなものがございます。
更に児童課への問題、電話等での問題、窓口へ来ての問題としましては今申し上げ点について賛否両論が寄せられているというようなところにきています。ただ、この関係でございますが、それは今まででございまして、請願の結果が出ましてからは、今日、私どものところには一切きてございません。以上でございます。
メールがだいぶ寄せられたと、今はなくなったということなんですが、どんな割合ですか?賛成と反対は。それをお聞かせ願いたいと思います。
それから、児童福祉法で『放課後児童健全育成事業』の中で『学童保育クラブ』の役割の中に「適切な遊びと生活の場を提供」というのを謳っ手いるのですが、「生活の場の提供」というのは部長はどうお考えでしょうか。
あのメール等の賛否両論でございますが、少なくとも今までの状況の中ですと、私が知る限りでは「今までどおりなんとかやってほしい。」というのが比率としては高かったという状況でございます。ただ、具体的に100にたいしてパーセンテージどうのこうのというのは私どもの方ではとってございませんので、その点はご容赦願いたいと思います。ただ、最近では先程も申し上げましたけれども、それが逆転してきていると、ほぼフィフティー、フィフティーから逆になって、もっと積極的なかたちでの活用を考えたらいいんじゃないかと、『すまいる』の方ですね。それを考えた方がいい、というふうになってきています。
それから「遊びと生活の場」でございますけれども、たしかに文言上は「遊びと生活の場」ってございます。具体的にあの関係をひも解いていきますと、法令の中では遊びそれから生活というものは定義されてございません。せめてですね、せめてというか具体的な点での、ものの本によりますと、「遊びをとおしての生活の場」、あるいは「生活についてのルールの指導」、こういうものを築いていくんだ、というのが今日いわゆる定説になってございます。
『学童保育』と『すまいるスクール』を利用している子どもの家庭の決定的な違いは、昼間親が働きに出て子どもが家に帰って甘えたり、休んだり、適切な保護を受けたり、というようなことができない。だから、遊びの場の提供に加えて生活の場というのは、親がいない間、家庭に変わるそういう施設・役割、これを『学童』が担ってきたんだと私は思います。
そこで私聞きたいんですが、部長は「まったく大きな違いはない」と言いますけれども、『学童』から『すまいる』に移行して、附加されることは先程あまりよくわかりませんでしたけれども、いくつか言われましたけれども『学童』にあって『すまいる』にないサービス事業はどんなものがありますか?
サービス内容ということで申し上げますと、少なくとも私が現在承知しているものですと、いわゆるおやつの問題でございます。
それから、これはですね細かい事になりますが、よく皆さん連絡帳云々とおっしゃいますけれども、これは新1年生に対してしているものでございまして、1年生〜3年生まですべて連絡帳云々であるとかというかたちでの提供、既存の学童でも提供しているものではございません。
それからまた細かい話になりますけれども、保護者会どうのと言いますけれども、保護者会等につきましても、『すまいる』の方ではそれと違いますけれども似たようなかたちでもしていますので、ほとんど違いはないと申し上げます。
例えばですね、変わるものは『複数担任制』ですよね?専任2人いたのが1人になってしまう、更に連絡帳がなくなる、保護者会あるいは父母会がなくなる、おやつがなくなる、あるいはゴロっと横になれる『学童』専用の育成室がなくなる。これら一つ一つは家庭に変わる自分の居場所「ただいま!」と帰ってくるところ。ところが『すまいるスクール』にはこれがない。要するに遊びの場と勉強の場の提供と、生活の場がぜんぜん移行されていない、ここに親御さんは今大変心配しているんじゃないかと思います。
私自身の経験をちょっと述べたいと思いますけれども、2人の娘を学童でお世話になりました。本当にありがとうございました。子どもは元気よく学童遊びに行くとき、学校に行くときと、落ち込んで「もう行きたくない」というときと、「○○ちゃんはお母さんと買い物に行ったのに、なんで私は5時まで学童に行かなくちゃいけないの?行きたくない」こういうふうに言われたときにいちばん後ろ髪を惹かれる思い、辛さを感じます。で、その時にこれまでの『学童』だったらどう対応してくれて、『すまいる』だったら、どのような対応が保障されるのか説明願いたいと思います。
あのー、何度も申し上げていますけれども、私はですね家庭に変わる場というのは、ごろ寝、おやつ、あるいは連絡帳等でですね、事細かに見ているというんでしょうか、ものを観察するというのはよくないんですが、俗に言うところのつかんでいるというのが家庭であるとは思ってございません。それも一コマです。それから遊びも一コマです。学習も一コマです。押しなべてですね、どこからどこが生活で、どこからどこが遊びだ、というふうに決め付けること事態が発想としてはおかしいと思ってございます。ですから、そういう点ではほとんど現在行っている『学童クラブ事業』と、それから今『スマイルスクール』で行われている、絶えず進化してますから、そういう進化している状況の中では基本的には変わるところはございません、というかたちで申し上げたところでございます。
(沢田委員から「答弁漏れ!私の質問に答えて下さい」)
今の議員さんの具体例が出されましたけれども、それはおあずけになっている個々の家庭の一コマの問題だろうと思います。で、おあずけになっている家庭、動機はいろいろ変わりますので、私の方からは今申し上げたところでご答弁申し上げます。
子どもを育てる中で、子どもが落ち込んだ時にどう対応するかというところでみんな悩むのです。体調が悪かったり……。だけど私は、今の『学童』だったらばこのような場合どのような対応が保障されるか、『すまいる』だったらどうなったのかと聞いているんです。これ答えてください。
今までやっている『学童事業』の対応の仕方と、それから『すまいるスクール』でやれる事業と、そっくりそのままカーボンコピーである必要はございません。その施設状況も違いますし、利用状況も違いますので、そういう個々具体的な問題につきましては、各『すまいるスクール』の方で、きめ細かな対応を取り組めばよろしいわけでございます。
結局答えられないんですよ。(場内爆笑)『学童保育クラブ』で私が通ったときには、まず連絡帳に書いて「うちの娘がこう言っている。どうしたらいいでしょうか?」と、連絡帳で先生はそれを返してくれる。場合によったら電話をくれる。こういうふうにやりながらですね、家族と学童が力を合わせて子どもをバックアップしていく。これが『学童保育クラブ』です。ですから、専任の指導員が二人いるということはですね、本当にそうした子どもの心のひだといいますか悩み、その側に専任指導員がたって、子どもを激励し、自発的に自立できるように支援をしていく。ところが今の『すまいるスクール』は、そうなっていない。どこに一体問題がきたら相談をしたらいいのか。父母会全体でもそうした問題を考える。そういう保障が全く無くなってしまったところに、今度の『学童保育クラブ』の不安が大きく広がっていると私は思います。結局、部長は「細かな問題」というが、これは親の問題にして一番悩むところです。それに答えられないというところに、私は今度の大きな問題があるというふうに思います。
時間の関係で、具体的な問題に入りたいと思います。
今度の『学童』から『すまいる』に移行する『すまいるスクール三ツ木』。それから『西品川学童』の具体的な現在のこどもの数。それから『すまいる』に登録している数。毎日出席している数。子どもの数はどのくらいか。それから専任と非常勤がそれぞれ何名ずつ配置されているかについてお答え願いたいと思います。
それでは私の方から、『すまいる』の状況について先にお伝えします。
『すまいるスクール三ツ木』です。現在でございますが、登録者数が105名で全体の約36%、指導の体制でございますが、常勤の専任が1名で非常勤が8名、あわせて9名の体制でございます。
『三ツ木』の方でございますが、68、61でございます。(場内「68じゃないの?」との声)失礼しました68でございます。(沢田委員から「職員体制は?」)60名ですから3名だったと思いますが、非常勤は1名です。(場内騒然)
この問題は私、文教委員会で実際に質問した問題ですから当然すぐ出ると思っていました。ところが具体的な数が総括質問で出ない、というのはどういうことでしょうか。
私ども9月30日の段階で『すまいるスクール三ツ木』を調査してきました。現在、その当時ですけれども、『すまいるスクール三ツ木』は40名〜50名の日々の参加で、まあ、ここでは45としました。それで『三ツ木小学校』から『西品川学童』に通っているお子さんは67名。この『西品川学童』67名は45名に合流します。ただ、67名のうちに10名は学童のダブル登録をしておりますから、その10を引いて、今後の見通しとしては100人になると思いますけれどもそういう状況になる。
それから専任の職員、『すまいるスクール三ツ木』は専任が1名と、非常勤が4名。『西品川学童保育クラブ』は専任職員が3人と非常勤が1人。すなわち、これ現在の『すまいる』45名〜102名になるのに、2.5倍になるのに、職員は正規職員が4名〜1名、非常勤は5名〜4名になります。102名にものぼる子どもさんを、1人の専任職員と4名の非常勤職員でどうみるのでしょうか?雨の日なんかは大変です。2つの部屋の中に暮らさなければならない。私は「サービス向上」だと言っていますけれども、『学童保育クラブ』の子どもだけじゃなくて、今『すまいる』を利用しているお子さんにとっても超過密、場合によったら怪我が発生する機会が多くなるというふうに思います。(他党の委員が「体育館がある」)今体育館という話がありましたけれども、ここは体育館と校庭は両方同時に使えない、地域スポーツがあるからだという話も聞きました。あらためて102名も倍増以上2.5倍も増えながら、職員は圧倒的に少なくなるということで、「サービス向上」と言えるでしょうか。いかかでしょうか?
あの、『すまいる』について、さまざまな活動等、先程福祉事業部長からお答え申し上げました。あの、私の方でも『すまいる』について少しお話させていただきたいんですが、この2年間4校で実績を重ねてきてございます。例えば連絡帳のお話もそうでございますし、あるいは出欠の確認、保護者会、もちろん今の『すまいる』は、そもそも『放課後児童対策』でスタートした部分がございましたので、今時点で、まあ来年4月に向けてということも先程からいってございますけれども、今時点でいわゆる『放課後児童健全育成事業』としての部分につきましてはもう少し充実させていきたい。これは私どももそのように正直思ってございます。したがいまして、様々な課題につきましてはそれまでに当然解決していきたい。このように思ってございますし、加えて、専任指導員1人と非常勤職員4人の1日あたり……、まぁ全体として9人おりますけれども、その中で非常勤職員につきましては週5日勤務が4名おりますので、ほとんど1週間6日間のなかを専任と非常勤合わせて5名で一定のローテーション、そしてバックアップする4名、全体で9名おりますので充分に私は体制をとっていけるとこのように考えてございます。
『学童保育クラブ』では、1人ひとりの名前を指導員が覚えているのは当然。生活、家庭の状況、その子の体調体調と言いますかそういうものを熟知して、ある時は親代わりになって、あるときは親以上に子どもを理解するという関係があって初めて安定して『学童保育クラブ』に通えることになると思います。(「親はどうするんだ!」という他党の野次があって)親は仕事をしているんですよ。その時間は。それであの『すまいる』の問題で私が見てきたのですけれども、専任職員は毎日通ってくる子どもを受付けたり、電話で連絡を取ったり実際の保育に入れないんですよ。ほとんど保育やっている人たちは、非常勤の人たちが運動場、教室だとかバラバラにやって全体で遊ばせているのじゃなくて、遊びの場の提供、「自由に遊びなさい」って言うだけなんですね。今の『学童』と歴然と私は内容が違うと思います。
そこで聞きたいのですが、全児童対策を行う場合、その中に『学童』を取り込むときに国は補助金を出すのに一定の制限と言いますか、条件を課していますけれども説明願いたいと思います。
あの国の補助金と言いますけれども、私どもは国の補助金を受けてございません。以上でございます。
(「以上じゃないよ。ちゃんと示してよ」「答弁漏れ」と沢田)
委員がおっしゃられていますのは、国の補助金のお話でございます。今発言されたのは。私どもの方は国の補助金を投入しての事業展開してございませんので、そういう点で違いますということで申し上げただけでございます。
百も承知で私は聞いているんです。品川が補助を国からもらっていないと知っているけれども『学童』と『すまいる』の全児童対策の問題でこれは一つの大事な指針となるから聞いているのです。もう一度お答え下さい。
何度も申しあげますけれども、私ども国庫補助事業としてそれを受けて事業展開しているわけではございませんので、それについて説明しろと言われても、少なくともこの場での説明のしようがございません。
厚労省のこの問題での見解を示してください。
厚労省が国庫補助をあてる場合ですね、従来のところと少し見解を変えまして、全家庭児対策ということでいくつかの項目を掲げてございます。それについては8項目、今回言われるものがあがっているということでございます。
最初から私はなぜそういうのを誠実に答えないのかと大変残念です。(場内騒然)厚生労働省は大阪の『いきいき事業』という品川と同じような『全児童対策』で国庫補助を出す際に検討して「次の8つの条件を満たさなければ『学童保育』ではない」ということを新見解として出しました。
まず第1に定員が設定してあること。家庭代わりになる全児童の場では定員がなければダメだと、人をギュウギュウに詰めたらダメだ。それから20人以上が学童でそこには登録していること。これはクリアーしていると思います。専用室またはスペースが確保され、概ね1.65平米ゴロッと横になれる面積を確保しなさい。そして、2教室以上確保しなさい。まあ全部言っていると時間なくなりますけれども、20人〜35人の『学童保育クラブ』の子どもがいる場合には2人以上の専任指導員を配置しなさい。その他、子どもの所在確認ができる体制を取りなさい。ということを8項目クリアーしなければ国庫補助を出さない。これは『学童保育クラブ』の『放課後児童健全育成事業』の国基準です。事実上の。これをこの内どれだけクリアーしていますか?
冒頭からお話申し上げていますように、国基準の適応を受ける、あるいは国の補助もらっての事業展開ではございません。
尚、一言申しあげておきたいんですが、平成15年の4月1日になりまして、確か私が承知している限りでは、国は民間活用云々というようなことまで付言してきている状況でございますから、私どもは今は『学童保育』につきましては直営で実施しているということの付言はさせて頂きます。
次に私はこれまで保護者に対してどのような説明をされてきたのか、それからこの立案から決定に至るまでどういう手順を踏んで行われてきたのかお尋ねしたいと思います。
『すまいる』についての説明会でございますけれども、私の本年度実施いたしましたのは、9月の15校、学校での開設これを前提にした説明会だけを今現在やってございます。従いまして今後来年4月に向けまして新たな『放課後児童健全育成事業』としての『すまいる』のあり様、これにつきましては福祉事業部との連携しながら合同の説明会を今後やっていきたい、このように考えております。
合同説明会を急いでやってほしいと思うんです。11月4日から『学童』の募集停止がされ、親の間では大変な不安が広がっておりますけれども直近でいつぐらいにできるのかお答え願いたいと思います。
私どもの方では福祉事業部と調整した上で、実施していきたいと思っておりますが、近々のうちにやっていきたい。このように考えております。
ということは11月中には可能だと言うことでしょうか?
できれば11月には説明会をスタートさせたい。このように考えてございます。
『次世代育成支援推進法』では、自治体が子育て支援の計画を定めるのに対して、子どもの最大限の利益を尊重するように配慮しなければならないと示しております。私は今回の提案は子どもがなおざりになっていると思います。結果的に財政効率を優先し、子どもの利益が軽んじられる。この様なことで子育て支援を自慢できない。私はこのことを厳しく求めたいと思いますし、安心して家庭と仕事が両立できる体制を、この支援法あるいは基本法では言っておりますけれども、この充実を求めて終わりたいと思います。
以上で沢田英次委員の質疑を終わります。会議の運営上暫時休憩いたします。