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日本共産党品川区議団-第1回定例会条例提案-

日本共産党品川区議団は第1回定例会において以下の2つ条例および予算修正提案(予算委員会に提出)を行いました。

1.第1号議案品川区情報公開・個人情報保護条例の一部を改正する条例(情報公開手数料の無料化など)

2.第2号議案品川区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例(所得制限の撤廃)

3.平成16年度品川区一般会計歳入・歳出予算案の一部修正案(情報公開手数料の無料化、乳幼児医療所得制限撤廃)

残念ながら、第1号議案は自民、公明、区民連合(民主)、無所属の会反対、生活者ネット、共産党の賛成で否決。第2号議案および予算修正提案は自民、公明、区民連合(民主)、無所属の会、生活者ネットの反対で否決されました。

提案説明、および賛成討論は以下のとおりです。

第1号議案情報公開改正-提案説明

宮崎克俊区議会議員

ただいま議題に供されました議員提出第1号議案、品川区情報公開・個人情報保護条例の一部を改正する条例について、提出者を代表して提案説明を行います。

本案は、現行の同条例を3点にわたって改正しようとするものです。

まず、第一の提案は、第1条「目的」の改正です。

現行条例では、「この条例は地方自治法の本旨にのっとり、行政情報の公開を求める権利を保障するとともに、自己情報の開示を請求する区民の権利を明らかにし」となっていますが、これを、「この条例は、区民の知る権利を保障し、行政情報の公開および自己情報の開示を求める区民の権利を明らかにするとともに」に改めること、さらに、現行条例の「個人の権利利益を擁護しつつ、区政の透明性を確保し、もって区民と区政との信頼関係の強化に資する」とありますが、これを、「区民の基本的人権を擁護しつつ、区民の区政参加の促進および公正で透明な区政運営の実現に資する」に改めるものです。

改正の理由は、開示請求の権利を、憲法21条の表現の自由に含まれる「知る権利」に位置づけることにより、より強固な住民の請求権とすることを目指すものです。行政による恣意的な不開示決定がされれば、運用違憲が可能となるため、区民の開示請求を保護するため設けたものです。

また、情報の公開は、本来、区民が区政に参加すること、区民が行政を監視することを目指したものです。そのため、「目的」に「区民の区政参加の促進」も盛り込みました。

第二の提案は、第9条第3号「エ」の削除です。これは、意思決定前の情報を公開対象とするために、意思決定前情報を原則非公開としている規定を削るものです。これにより、同条第3号「オ」を「エ」にします。

改正の理由は、区の保有する情報は区民のものであり、区がこれからどういう区政運営を行おうとしているのか、区民には当然知る権利があるからです。

ところが、例えば教育委員会では、小中一貫校計画の論議は非公開としており、議題が小中一貫校計画になると傍聴者が追い出されるという事態に住民から不満の声が寄せられています。

決定した施策の情報公開と住民への説明は当然ですが、政策決定前に住民に情報を公開し住民の意見をくみ上げる努力をすることこそ、区民の区政参加を広げることになるのではないでしょうか。政策決定前の情報も公開対象とするのはそうした考えからです。

第三の提案は、第31条「費用負担」の改定です。現行条例は、「行政情報の公開および自己情報の開示については、別表に定める額の範囲において規則で定める手数料を徴収する」となっていますが、これを、「行政情報の公開および自己情報の開示に係る手数料は、無料とする」に改めるものです。これにあわせて、別表を削ります。

コピーなど写しの交付、郵送の場合はその費用を請求者に負担していただくため、額は規則で定めることとします。

情報公開の手数料は、23区でもほとんどが無料。有料化している区は中央区と品川区。そして、中野区は営利企業のみ有料としています。全国の自治体も無料が大多数です。

もともと、品川区も情報公開制度は無料でしたが、平成9年の条例改定の際、有料化されたものです。情報公開のコストを受益者に負担してもらう、無料だと必要のないものまで請求するというのが、有料化にあたって区が説明した主な理由でした。つまり、公開請求に手数料のハードルを設けて制限を加えるというものです。

しかし、そもそも行政情報は区民と行政との共有しているものであり、公開を請求する権利は憲法の知る権利によるものです。行政が有料化でもって区民の知る権利を制限するというのは、この憲法の精神に反するのではないでしょうか。

以上が、品川区情報公開・個人情報保護条例の一部を改正する条例の内容についての説明です。

いま、品川区は「区民には知らせない」という傾向が顕著になっているように感じます。教育委員会だけでなく、他の部局でもわれわれ議員に対してさえ、資料をなかなか出さないことも多い。区全体が「非公開」を拡大しているのではないでしょうか。こうした動きがあるからこそ、今回の提案となったものです。

慎重にご検討いただき、ぜひ、ご決定いただきますようお願い申し上げまして、提案者を代表しての説明とさせていただきます。

参考資料:新旧対処表

情報公開改正-賛成討論

なかつか亮区議会議員

私は、日本共産党品川区議団を代表して、議員提出第1号議案「品川区情報公開・個人情報保護条例の一部を改正する条例」の賛成討論を行います。

品川区情報公開条例は1986年に制定され、目的には「区民の知る権利の保障」を明記、手数料は無料とし始まりました。当時助役だった高橋区長は提案理由の冒頭に「この情報公開条例は基本的人権としての知る権利を保障する立場から何人でも公開請求できる」と説明しました。しかし、97年の改悪で、目的から「区民の知る権利」の削除、手数料の有料化を行い、情報公開を後退させました。今回の改定は、区民の知る権利を保障し、開かれた区政を目指す提案であり、賛成をするものです。その理由の3点について述べたいと思います。

第一は、第31条「費用負担」を改正し、手数料を無料にする点です。

現在、閲覧手数料を有料にしている区は、23区中、品川区と中央区のみ。区が所有する情報は、行政と区民の共有の財産であり、区民がその情報を閲覧することは、無料とすべきです。47都道府県12政令市の中、閲覧手数料を有料にしている自治体は東京都とのみと、もはや、全国の流れとなっています。

カラ出張や裏金作り、議員の海外調査や政務調査費の使われ方などをチェックしている、全国市民オンブズマン連絡会議は、情報公開度ランキングを発表しています。その基準では、閲覧手数料を徴収する自治体は、「失格」と定めています。それは、「市民が行政の運営をチェックすることは当然」「行政の情報を見るだけで、お金を取るのは知る権利の侵害にあたる」という理由からです。

第二は第9条(エ)を削除し、意思形成過程の情報を公開の対象とすることです。

住民参加を積極的に進めるためには、決定前の情報の公開が不可欠です。第3次長期基本計画では、7つの品川プランのひとつに「区民とともに歩む品川プラン」を掲げ、「区政の重要な課題を決定する際には、その検討に幅広い区民の参加を求める」と定めています。

しかし、品川区は、先の予算審議の中でも、保育料の値上げ、小中一貫校構想、学童保育クラブの廃止など、決定に際し、児童、保護者、教師はもちろんのこと、周辺住民に対しする説明や意見聴取を一度も実施しませんでした。

たとえば、小中一貫校の2校目の策定についてです。原小学校では2回にわたって、保護者会を開催。校長先生は、アンケートを実施し、質問や要望を集め、教育委員会に提出しました。決定前に保護者会を開催し、保護者から意見を伺ったことは、一定の前進だと思います。しかし、こうした保護者からの意見に対し、区教育委員会は「意見はあくまで参考、あえてひとつひとつ決定前に答える必要はない」と一切の回答を拒否しました。

また、区教育委員会は、補正予算及び当初予算についての審議を「予算の政策過程中」と、非公開にしています。予算審議を非公開にしている教育委員会は23区中、品川、新宿、台東、杉並の4区のみです。

住民参加の区政運営は、政策過程において、区民にその情報を積極的に提供し、多様な意見を求め、双方向機能を活用することが大切です。決定後の区民への周知は、あくまで広報活動に過ぎません。「はじめに決定ありき」の区政運営は改めるべきです。

第3は第一条の「目的」を改正し、憲法が定めた表現の自由に含まれる「知る権利」を位置づけ、明記することです。97年の改悪により、目的から「知る権利」が削除されて、その後行政にとって都合よく使われています。その1つが「区長交際費の黒塗りは違法」と品川区民オンブズマンが品川区を相手に起こしたとした裁判です。

この裁判は、ついに最高裁まで争われました。最高裁の判決では、品川区の上告を棄却し、「情報の開示命令」が下りましたが、区民の税金を使って、公衆の面前で行った、区長の交際費を非公開にする理由はどこにも無く、最高裁の「開示命令」は当然のことです。

また、区議会議員に対しても、「情報公開条例に基づいた請求でなければ、公開しない」と、情報提供に対して、かたくなな姿勢をしている区は、23区で品川区のみです。

憲法が保障する、基本的人権を保障するためにも、条例の目的に「知る権利」を明記する必要があります。

最後に、住民こそ主人公の品川区を推進するため、本案への賛成を心から望み、討論を終了します。

第2号議案乳幼児医療助成に関する改正-提案説

南恵子区議会議員

ただいま議題に供されました議員提出2号議案、品川区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例について提案の趣旨を説明いたします。

本案は、第4条「所得の制限」を削除して、就学前までの全ての乳幼児が医療費の助成を受けられるようにするものです。

品川区はこれまで年度を追って制度の充実を図ってきました。93年1月から0,1歳児対象で所得制限を設けて実施しましたが、94年には2歳まで拡大したうえに所得制限をはずして4年間続けました。0・1・2才の子どもは全員がお金の心配をせずに医療を受けられました。4年後の98年には6歳未満まで大幅に年齢をひろげましたが、所得制限を復活させ65%の層までにとどまったのです。

すべての区民に利用できるようにしてほしいとの区民要望が大きくなり、2年間隔で所得制限の幅を縮小して、今日的には、所得制限は90%まで広がり、対象となる年齢も就学前までひろがっています。

さらに区長は、来年度予算に医療費助成制度を小学6年生まで拡大すると英断を下し、2005年1月より実施する予定です。わが党は年齢拡大をもとめて条例提案をしてきただけに大歓迎するものです。

「世界人権宣言」は、「すべての人は社会保障を受ける権利を有する」と明記し、生存権など基本的人権は国や大企業の責任と負担において社会的に保障され、しかもすべての人に公正・平等に与えられると述べています。それを受けて、ヨーロッパの国々では国民として一人一人を尊び、生存権を守る思想が社会保障として制度化され、医療費を無料化させ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、カナダはすべての国民が無料、スウエーデンは20歳未満までとなっています。デンマークでは、1930〜1960年代に市民権を剥奪する貧困法的な発想を破棄し、「市民権としての公的福祉」という概念が導入され、救貧対策としての福祉、社会的弱者のための福祉から、すべての国民の安心社会のための福祉へと大規模に改革されました。

区長は、「医療費の無料化ではなく福祉施策として実施している」と発言されていますが、篤志家が貧しい者に憐れみとして施しをしていた時代の救貧思想、『福祉は救貧』という1930〜1960年代の古い時代の概念です。今は、子どもは社会の宝として、みんなで健康に豊かに育てていこうという考え方がごく普通になっています。今の時代の考え方とはまったく合いません。

区民として生まれ育つすべての子どもに医療費の無料化が適用されるように所得制限を外すべきです。

以上が今回の提案主旨です。慎重にご審議いただきまして賛同してくださいますようお願いし説明を終わります。

参考資料:23区乳幼児医療費助成事業の実施状況

品川区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に対する賛成討論

菊地貞二区議会議員

日本共産党品川区議団を代表して議員提出第2号議案、品川区乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に、賛成をする立場から討論を行ないます。乳幼児医療費助成制度の改正提案は今回で8回目になります。本条例は、第4条「所得の制限」を削除し、対象を就学前までの全ての子ども達に拡大するものです。品川区は、来年1月1日より、小学校6年生まで対象年齢を拡大していますので、6年生まで所得制限のない医療費助成制度となるよう、所得制限撤廃を提案したものであります。

乳幼児医療費助成制度は、未来の社会を担う全ての子ども達の健やかな成長を保証し、子どもを安心して生み育てる環境を作り上げるという、まさに福祉・社会保障そのものです。社会福祉、社会保障の考え方は、時代と共に大きく変わっています。「高額所得者への支援は必要なし」とする考え方は、福祉が救貧対策、社会的弱者対策とする古い考え方を基盤としたものです。

「世界人権宣言」は、「すべての人は社会保障を受ける権利を有する」と明記し、生存権など基本的人権は国や大企業の責任と負担において社会的に保障され、しかもすべての人に公平・平等に与えられると述べています。これを受けヨーロッパの国々では国民一人ひとりが尊ばれ、生存権を守る思想が社会保障として制度化され医療費の無料化が進んできました。イギリス、フランス、イタリア、スウェーデンなど乳幼児はもちろんのこと成人も医療費無料制度となっているほどです。日本が批准をした子どもの権利条約第3条には「子どもの最善の利益が第一次的に考慮される」とし、「子どもに対し、その福祉に必要な保護およびケアを確保することを約束し、この目的のために、あらゆる適当な立法上および行政上の措置をとる」と記されています。

この間、区議会では、「子育て支援をどこまで行なうのか」あるいは「高額所得者まで無料にする必要があるのか」とする論争がおこなわれ、区長は、わが党の要望に対し「福祉施策として実施しているのだから、医療費の無料化は考えていない」としてきました。しかし、23区をみると、足立区が本年4月より所得制限をなくし、所得制限を残すのは品川区1区のみとなります。所得制限をなくした理由をうかがいましたが「転出転入などあり、23区で差があると問題がある」「多くの子どもたちが、制度を受けられるよう改正した」とのことでした。このことからも医療の無料化、所得制限撤廃は、23区では当たり前のこととなっています。また全国を見ると小学生、中学生、高校卒業まで年齢が拡大され所得制限なしが広がっていますが、そこには真の少子化対策、子育て支援に力をそそぐ自治体の姿があります。子どもたちの健やかな成長のため政党・会派の違いをこえ、本条例改正案が可決、決定されることを願い、賛成討論を終わります。

保育料値上げ条例に対する反対討論

鈴木ひろ子区議会議員

日本共産党品川区議団を代表して、第17号議案「品川区保育の実施等に関する条例の一部を改正する条例」、第18号議案「品川区保育所における延長夜間保育に関する条例の一部を改正する条例」に反対する立場から討論を行います。

第17号議案の改定は、2004年10月より保育料を平均で約9%引き上げるものです。区は「現在の国徴収基準額の47%から60%を目標に、3年間で現在より27%の値上げをしたい」と説明しました。平均階層D10の3歳未満児では3年後には年間約9万5000円の新たな負担増になるものです。子育て世代にとってどれだけ重い負担になるか、その影響ははかり知れません。

第18号議案では、延長夜間保育料について、現行の月額と日額の2つの体系から、月額の利用料を廃止し、日額1本にする。月極めで利用していた人にとって大変な負担増となるものです。年収約300万円のD4階層の3歳児が1時間を超えて平均の15日間利用すると現行2600円から8000円と3倍になり、月5400円、年間6万4800円もの負担増となります。特に問題なのは所得が低い人ほど負担割合が高いことです。

以下、保育料値上げに対するわが党の反対理由を述べます。

第1は、受益者負担論の誤りについてです。

区は児童一人当たりの運営費が月18万4000円であるのに、0歳児に53万円かかることを繰り返し強調し、受益者負担を値上げの最大の理由としました。子どもは家族の宝であると同時に社会の宝。受益者というならそれは日本の社会全体です。少子化を改善させ、次世代の担い手を育てる問題は、産業の働き手、雇用から税収、社会保障などあらゆる部分で日本の社会、経済の存続にかかわる重大な問題です。しかも「税の公平性から応分の利用者負担を」といいますが、平均階層D10の共働き夫婦の場合、夫が税金を払ったほか、妻は所得税や住民税、社会保険料、受けられない配偶者控除など年間約70万円を払っています。これは3歳未満児保育料の2.7倍に相当する額です。しかも保育園に預けている時だけでなく、定年まで払い続けると現状の賃金でさえ、その額は2450万円となります。共働きは、労働や税負担、年金や医療などの重要な支え手であり、さらに、女性が働くことによる法人税の増収、その子どもも成長して支えてとなるわけですから、保育に投入した額が何倍にもなって返ってくるものです。「不公平」という指摘は全く当りません。女性の社会参加が当たり前の時代に、働くことと子育ての両立支援の充実こそ求められています。

第2に、保育料の値上げが品川の少子化に一層拍車をかけることになるからです。

小沼福祉部長は少子化と保育料値上げは関係ないと述べましたが、その根拠を示すことはできませんでした。現に保育園に預けている多くの父母が、「今でもぎりぎりの生活なのに保育料が値上げされたらやっていけない」「二人目をあきらめざるをえない」と悲痛な訴えを寄せています。区が昨年12月から今年1月に行った調査でも、夫婦が理想とする子どもの人数が2.3人に対して実際は1.3人しか持てない。そこでは保育・育児サービスニーズのトップに子育てのための経済的援助を求めています。賃金の引き下げやリストラ、医療や年金などの負担増に加えて年間10万円もの負担増が少子化を加速させることは明らかです。

品川の合計特殊出生率は、2002年0.86まで落ち込みました。国は1.32と史上最低になったことを受け、少子化社会対策基本法で少子化対策は喫緊の課題として以下のように述べています。「わが国における急速な少子化の進行は…21世紀の国民生活に、深刻かつ多大な影響をもたらす。われらは紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している。」「急速な少子化という現実を前にして、われらに残された時間は極めて少ない」。2100年には日本の人口が6400万人に半減すると試算されています。国でさえ深刻な危機感を持ち、また多くの自治体が2人目、3人目の保育料を無料とするなどの対策をとっている時、品川区は、学童保育クラブの廃止に続いて、23区でどこもうち出していない保育料の大幅値上げ。出生率が0.86まで落ち込んでいる品川区の少子化問題に対する現状認識は一体どうなっているか、疑わざるを得ません。

第3の問題は、区は今回の値上げの理由に「保育サービスを充実してきた」といっていますが、区の資料でも、保育園の運営経費はこの10年間ほとんど変化がなく、子ども1人あたりの運営経費と区の負担割合はむしろ減少しています。値上げの根拠がまともに示されておりません。しかも、23区で保育料の値上げを提案しているのは品川区だけであるだけでなく、6年前値上げをしていない区も2区あります。区民の理解が得られるものではありません。

認証保育の高額な保育料が問題になりましたが、保育料軽減のための支援こそ積極的に行うべきです。

第4は、税金の使い方の問題です。区は、学童保育クラブの廃止、保育料の大幅値上げと働く親に対する支援を次々と削減する一方、大崎駅東口第3地区開発には開発地域というだけで大企業が建設するビルやマンションに102億円もの税金投入。4000人の子どもたちが通う保育園の運営費負担は79億円です。開発より子どもたちに使うべきです。

最後に区民への説明責任について指摘します。今回、条例提案から委員会採決まで12日。これは議会軽視です。さらに直接影響を受ける父母には全く知らせず、決定を周知すればいいという態度は、高橋区長の「住民参加の区政運営」の公約違反といわざるを得ません。子どもの医療費助成小学生までの拡大については早々とプレス発表を行いマスコミで宣伝しながら、都合の悪いことは知らせないというのでは開かれた区政とは言えません。

子どもは家族の宝であると同時に社会の宝です。少子化が有史以来未曾有の深刻な事態といわれる時だからこそ、国や自治体、企業あげて安心して生み育てる環境をつくることが求められています。保育料の値上げをやめ、保育の充実を求めて反対討論を終わります。

平成16年度品川区一般会計歳入・歳出予算案の一部修正案

沢田英次区議会議員

私は、提出者を代表し第5号議案「平成16年度品川区一般会計予算案に対する修正提案」に当たって説明をさせていただきます。

本案は、日本共産党区議団が提出した議員提出1号議案「品川区情報公開・個人情報保護条例の一部を改正する条例」および第2号議案「品川区乳幼児医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例」の財政的に裏づけを行うものです。

それぞれの議案提出の趣旨については、冒頭本会議での提案説明されていますので趣旨は簡略にします。

なお、皆さんにお配りしました修正案の一覧で修正予算額の歳入・歳出合計がそれぞれコンマの付け方が一桁ずれておりますのでよろしくお願いします。

全体の構成ですが、一つの柱は情報公開制度を無料化することです。情報公開制度が有料なのは23区でいうと品川区と中央区のみ。無料化にすることにより開かれた区政および住民参加の区政めざすものです。もう一つは乳幼児医療費助成制度の改善です。23区品川区のみが導入している所得制限を撤廃し子育て世代を支援、また救貧対策の福祉から権利としての福祉に一歩前進を図ろうとするものです。また、来年1月から実施予定の小学生の医療費無料制についても所得制限の撤廃を盛り込んでいます。

以上2点の施策を実施させるために本案はその財源を議員の海外調査中止、同和相談制度を廃止し一般人権相談に移行する、足りない分を財政調整基金の積立金を減額して充てることにしています。

議員の海外調査は23区中、20区近くが実施を見合わせていること。共産党、公明党が欠席しているもとで公式な調査としてはふさわしくなく、どうしても必要とするなら各会派に支給されている政務調査費を充てるべき、と考え提案するものです。

また同和生活相談の廃止ですが人権差別は、同和問題だけでなく、女性差別、障害者、職業、など広範に存在しており、同和生活相談だけ取り上げることは問題であり、一般の人権相談の中に取り組むべき、と考え提案するものです。

以下、説明書にもとづき予算書の主な修正部分について説明いたします。

平成16年度品川区一般会計予算の第1条、歳入歳出総額を、それぞれ1289億6788万7千円を1289億6742万3千円に改めます。

歳入では12款、使用料および手数料42億8456万8千円を42億8436万8千円に20万円を減額、2項手数料、1項、総務手数料、1節、情報公開料手数料20万円を全額削減するものです。これは情報公開手数料を無料化にするための歳入減です。

19款、諸収入50億1008万4千円を50億982万円に26万4千円減額します。6項雑入、3目納付金、1節の社会保険料、1億2602万2千円を1億2575万8千円に26万4千円を減額。これは同和相談員を廃止するために、社会保険料本人負担分が歳入として入らなくなることによるものです。

歳出では第1款、議会費6億8505万8千円を6億7765万8千円に740万円を減額。1項、議会費、1目、議会費、9節、旅費―を700万円、11節、需用費―を40万円、それぞれ減額するものです。

これは議会の海外調査を中止することにより議員分9人、随行員1名分の旅費と消耗品、報告書作成費もあわせた額であります。

第2款、総務費、86億2095万9千円を86億1826万6千円に2693万円減額。1項、総務管理費、1目、一般管理費、1節―報酬を215万5千円減額、また4節、共済費53万8千円を減額します。これは、同和相談の廃止に伴う相談員の報酬減です。報酬額に猶予期間12分の10を乗じたものです。また4節―共済費、53万8千円を減額しますが、これは相談員の社会保険料事業者負担分でこちらも12分の10を乗じています。

第3款、民生費333億7492万8千円を334億円4737万4千円に7244万6千円増額します。2項、児童福祉費、1目、児童福祉総務費、20節、扶助費を7244万6千円に増額します。

これは乳幼児医療費助成制度の所得制限撤廃による増額分、6391万1千円と小学生の医療費無料化3か月分、8,535千円を加えた額です。

第10款、諸支出金14億5305万3千円を13億9023万6千円に6281万7千円を減額。2項、財政調整積立金、1目、財政調整基金積立金、25節、積立金6281万7千円を減額します。

これは、海外調査、同和生活相談を中止して生ずる不足分を積立金を減額して財源に充てるものです。

以上で第5号議案平成16年度品川区一般会計予算案に対する修正提案に当たって説明とさせていただきます。なにとぞ本案を決定してくださいますようお願い申し上げます。

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