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鶴議員への公開質問状
沢田英次議員のアルゼンチン債購入問題などの質問にたいし誹謗、中傷したことに関する公開質問状

2002年04月30日

公明党鶴尚議員殿

沢田英次議員のアルゼンチン債購入問題などの質問にたいし誹謗、中傷したことに関する公開質問状

沢田議員は予算特別委員会で(1)品川文化振興事業団のアルゼンチン債購入問題の全容解明と、(2)生活保護やホームレスの対策の改善を求めました。

ところが貴殿は、3月22日の予算特別委員会総括質問で、沢田議員のアルゼンチン債購入問題の発言を「言葉を極めた不適切な批判」「不穏当な発言や確証のない発言」と言い、生活保護の申請にあたっての窓口対応の発言を「関係者の名誉を著しく傷つける事例として見過ごすことができない」などと批判しました。

貴殿の発言は、予算特別委員会の最後の総括質問で反論することが不可能なもとでおこなったこと、しかもCATVの区民チャンネル放映のもとでおこなったことを考えると沢田議員への計画的にイメージダウンを狙ったものと言わなければなりません。

このまま放置することは、沢田議員の名誉を傷つけるだけでなく区民に大きな誤解を与えることにもなります。そこでわが党は、貴殿に対し公開質問状を送付し、事実関係および貴殿の政治的立場を問うことにいたしました。

なお、本質問状に対する回答は5月10日までに、文書でされるよう求めます。

1.アルゼンチン債購入問題について

貴殿が、沢田議員の発言で問題にしている箇所を、それぞれ経過的に見ていくと次のようになります。まず、沢田議員は代表質問の再質問で、次のとおりアルゼンチン債購入の問題点を指摘しました。

第1に、「区長はアルゼンチン債購入問題で迷惑をかけたという謝罪が一切ないが、区民に迷惑をかけたとの気持ちはないのか」。

第2に「区長がつくった平成12年度決算書の財産目録には国債としか書かれておらず外国債とは書いてなかった。これは理事長の責任だ」。

第3に「理事長の印鑑が押され新光証券に(提出した)債権の格付けに関する確認書には『低格付け債はデフォルトリスクが高いことを承知しております』と述べている。基本財産でディフォルトの可能性があるアルゼンチン債購入にオーケーのサインをつけて出すということは、理事長の責任はないのか」。

第4に「平成12年6月2日の事業団の理事会で、ある理事から『金利のよい国債とかを検討したらどうか』との質問に、星野事務局長は高金利のアルゼンチン債などの外国債をすでに購入していたのに、それを報告せず『安全、確実・有利なものを検討してまいります』と答弁。このとき星野氏はメキシコ債、中国債、アルゼンチン債を相見副理事長の指示を受け買っていた。それなのに『安全、確実・有利なもの…』と答弁するのはどういうことか」。

この後に沢田議員の「理事会にまるで本当のことを言わない。うそを言っている」という、貴殿が指摘する発言となりました。沢田議員の発言は事務局長の対応を正確に表現したものです。その上にたって沢田議員は「こんなやり方が今回の事態を招いた。処務規定もそうだけれども寄附行為、会社の定款にあたる問題もでたらめばかりやっているというのが私の印象です」と区長をきびしく追及、答弁を求めました。

さらに予算特別委員会の集中審査で沢田議員は「低格付の危険な外国債を購入したことを途中で是正し損害を回避する機会があったのに是正しなかった」として「事務局長に伝わった際、助役が聞いた際、そして監査とあったはず」と述べています。

これは(1)2000年5月、相見副理事長から星野事務局長にアルゼンチン債購入の指示を受けた際、(2)2000年11〜12月、星野事務局長から濱野副理事長に外国債購入の報告をした際(濱野副理事長は翌年の5月まで半年間、高橋理事長に購入の事実を報告しなかった)、(3)2000年6月、平成12年度決算における監査の際、などどの段階でもチェック機能が働かなかったことを指摘したものです。そこで貴殿が問題とする、沢田議員の「みんなフリーパス。これはおかしい。全体が狂っている。間違いなく狂っています」との発言となったのであります。

沢田議員の質問は、このように事実に裏打ちされたものであります。貴殿の沢田議員の発言を問題視した部分は、発言の全体の流れを無視し、言葉尻を捉えたものといわなければなりません。貴殿が主張する「言葉を極めた不適切な批判」「不穏当な発言や確証のない発言」ではないことは明白であります。

そこで以下、貴殿に大きく2点にわたり質問します。

第1に、事実経過について

(1)貴殿は「(区が)少なくてもウソをついているようなことはない」としていますが、沢田議員が代表質問の再質問で4点の問題点を指摘したとおり、そこには区側の無反省ぶりとともに区がウソをついていることを具体的に示しています。

貴殿が「ウソをついているようなことはない」とするのなら、その理由をお答えください。

また貴殿は「違法性、犯罪性は全くなかったことは区民のみなさんもおわかりいただけた…」と述べています。しかし、相見副理事長が、独断で購入したことが事実なら、理事長印を無断で使用しアルゼンチン債を購入したことは、有印私文書偽造の疑いが生じます。この問題で「違法性、犯罪性は全くなかった」とする根拠を示してください。

(2)貴殿の沢田議員発言を「言葉を極めた不適切な批判」「不穏当な発言や確証のない発言は軽軽にすべきではない」と断じたことの不当性は述べてきたとおりです。あらためて貴殿の発言は何を指すのか、その理由をお答えください。

第2アルゼンチン債購入問題の政治姿勢について

(1)高橋区長(理事長)は「アルゼンチン債を購入した原資は、区民の財産ではなく事業団に支出されたものだから事業団のもので、どのように使おうが外から批判されるものではない」とのべていますが、貴殿はどう考えるか、お答えください。

(2)アルゼンチン債購入により事業団と区民に重大な損失をあたえることが予測されています。区長は私財を投じて損失の穴埋めをすることを拒否しています。事業団におけるアルゼンチン債のディフォルトによる損害は、事業団だけでなく区民に穴埋めを強いることになりますが、貴殿は損害が確定した段階で、その補填についてどのようにすべき、と考えているのかお答え願います。

2.生活保護申請者に対する窓口対応について

深刻な不況のもとで、失業者やホームレスの増大など区民の生活状況は深刻化しています。沢田議員が民生費で取り上げた生活保護の窓口対応の改善、ホームレス対策の質問はよりよい制度、区民にやさしい対応となることを求めたものです。

沢田議員は次のような事例を紹介しました。

74歳のNさんが生活保護の申請をした際「生活保護をかけてもらえなければ私はホームレスになるしかありません」とのべたことに対し、応対した職員が「どうぞホームレスになればいいじやないですか」と述べた、と指摘。ところが、貴殿は沢田議員の発言を取り上げ「内容が事実とすれば人権尊重、人権擁護の立場から絶対に許せるものではなく、事実に反するならば間接話法とはいえ、関係者の名誉を著しく傷つける事例として見過ごすことができない」「事実を明らかにしていただきたい」と質問。小沼福祉事業部長は「即刻調べました。私どもの職員のほうから『ホームレスになればいいじやないか』といったことはございません」と答弁をしています。貴殿は「不謹慎な職員がいないということがよくわかりました」と述べています。

ここで問題なのは、貴殿が自ら事実を調べることもなく、担当部長の答弁を鵜呑みにして「事実はなかった」と断定していることであります。しかし、沢田議員はNさんから相談を受け、事実を詳しく聞いた上で質問をしたのです。

Nさんに貴殿の質問の内容を説明すると「区から電話があり『職員からホームレスになればいい、といわれたか』と問われ『私は、事実そのようにいわれた』と答えた。沢田さんに迷惑がかかるなら、名前を明かして事実を語っても良い」と述べています。

以上の経過は、貴殿が沢田議員を中傷するだけでなく、相談者のNさんに対しても「ありもしないウソをついている」ことになります。あらためて事実関係がどうであったか、貴殿に説明を求めるものであります。

なお、沢田議員が同じ民生費でホームレス問題の解決のめに取り上げた問題でも、貴殿は「(沢田議員の発言は)風聞を鵜呑みにしたもの」であり「言論の暴力」とまで決めつけました。

沢田議員は聞いた話として「支援センターに入った方から聞きました。『なぜ施設に入らないのですか』と聞くとその方は『人間扱いされないからいやなんだ。食べ物は犬猫に等しいようなものだ。そこで売っているズボンはまちで買えば2000円ぐらいのものが6000円もする』という話を聞かされました」と紹介。貴殿は一時保護センター大田寮や自立支援センター台東寮の食事メニューを取り上げ「事実と全く異なるということがわかった」「言い放し、騒ぎ放しの汚点を残した」と述べています。

この問題で沢田議員の「支援センターに入った方から聞いた」との発言は、特別区人事厚生組合が運営する宿泊所(所得が低く住宅に困った方を対象に住居を提供する施設)であり、間違いでした。この点は訂正します。しかし、この問題でも焼いも販売をしているホームレスの方から直接聞いたものであり、決して風聞を鵜呑みにした発言ではありません。その方も「私の言ったことは事実であり、必要なら出向いて証言してもよい」といっています。

議員の第1の任務は住民の立場で行政の対応に問題がないか、チェックし改善することにあります。調査もおこなうことなく窓口対応の改善を求める沢田議員の質問を取り上げ、理事者の答弁を絶対視。あたかも沢田議員がウソをついているかのような決め付けをおこなうことは、議員としての原点を忘れたもの、としか言いようがありません。

そこで生活保護の窓口対応に関連し、以下2点を質問します。

1.小沼部長の「職員のほうから『ホームレスになればいいじゃないか』といったことはございません」との答弁が正しい、とする根拠を明らかにして下さい。

2.貴殿は「内容が事実とすれば人権擁護の立場から絶対に許せない」としていますが、沢田議員立会いのもとでNさんと会い、事実関係の確認し必要な対応するように求めますが、いかがでしょうか。

日本共産党品川区議団

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